遠藤文庫

定期連載「雪の彫刻たち」第三部その7
2002.02.12

今日のBGM「Happiness is Happening」高橋幸宏

プルルルルル。ガチャ。「あ、バンドーさん?俺。」「ああ、どした?」「さっきさ、S社から電話あってさ。この前のチャームビエント気に入ったって。」「は?」「それでもっと他の音も聞きたいって。」「なぬ?」「そんで今、歌ものも作ってるんですよって言ったら是非聞いてみたいって。」「なんと!」「だからバンドーさんも曲作り頼むね。そんじゃ。」「おいおい!こら!キリハラー!」プープープー。

この前作った「チャームビエント」は、各レコード会社に送っていた。その中のS社の新人発掘担当者からキリハラのところに電話があったのだ。こうして、僕たちは、本格的にデモテープ作りを再開した。キーワードは「歌もの」。歌ものをやるなら、ということで僕たちはまた「スノーモービルズ」を名乗ることになった。「スノーモービルズ」の本当の意味での再出発点はここなのだ。「さいくりんぐる」は出来ていたが、まだまだ曲が足りなかった。このため、あと数曲作る必要があった。が、心配は必要なかった。その後一ヶ月くらいのうちに、次々と曲が生まれた。勢いがものすごかった。アレンジや録音もキリハラ宅とバンドー宅を往復し、何とか完成に漕ぎつけた。その間2ヶ月ほど。2人とも走り続けた。

そのテープはタイトルを「Snow Fields Forever」とし、全7曲入り、ジャケットは、青空に雪の結晶が浮かぶデザインだった。

そのテープをS社に送り、僕たちは反応を待った。

・・・つづく

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