遠藤文庫

定期連載「雪の彫刻たち」第三部その5
2002.02.08

今日のBGM「別れの曲」モーツァルト(←は「さびしんぼう」だったかな?)

結局キリハラ4曲、バンドー3曲、共作2曲(そういえばこの作品から共作するときのペンネームがendoriharaになったんだ。)、合計9曲が出来上がった。オープニングにはキリハラの小作品「まじない(charm)」を置き、その曲と1曲目の間に僕たちのフェヴァリットムービーである「転校生(大林宣彦監督作品。尾道三部作第一弾。尾身としのり、小林聡美主演。)」から尾身としのりのセリフ、「さよなら、おれ。」をサンプリングして挿入した。参考までに曲名を挙げておく。曲名から内容を想像してみて欲しい。

1.賢者(young wiseman)
2.踊る精霊(dancing spirit)
3.絵里(elle)
4.記憶(pattern of energy)
5.農場の四季(farmer's song)
6.芳香(aroma)
7.プール開き(season in the sunflower)
8.黒曜石のよる(cellist in the milky way)
9.アロハ(alo-oha)

「アロハ」には、その当時キリハラが住んでいたアパートのすぐ近くの女子高の生徒たちが体操するかけ声がサンプリングされ挿入された。そして、曲の最後は「東京物語(小津安二郎監督作品。原節子主演。)」の原節子のセリフ「わたくし、ずるいんです。」で締めくくった。曲名からもわかるように、すでにキリハラの詩作のモチーフがこのテープにはちりばめられている。メロディーものとアンビエント、チャーミングさとシリアスさが入り混じったこのカセットは、今でも僕のお気に入りだ。

このカセットも数十本コピーされ、各レコード会社、レーベル、オーディション関係にばらまかれた。まさかこのときは、反応があるなんて…。ね。

・・・つづく

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