折原文庫

歌詞の書き方(2)
2011.04.17

でもって、歌詞を書き始めるわけだが、オレがまずやるのは「何を書くか決める」ということ。

 

最初から何か言いたいことがある人は、曲に合わせてどんどん書いていくのかも知れないけど、オレの場合はあんまり言いたい事はこの時点では無いことが多い。オレの詩の基本は「風景を切り取る」事にあるので、ようはその表現すべき風景が見えてくるまで、曲を繰り返し聴くわけだ。

 

この「風景が見えてくる」というのは何とも説明しずらいのだけど、オレの場合は写真みたいな感じで、瞬間を切り取った静止画がちょっとずつ頭の中にぼやーんと見えてくるのだ。そのピントの合ってない具合を、曲を繰り返し聴くことでハッキリとさせていく。ドラマのように話が展開していく歌詞を書く人もいるけど、オレに見えるのはだいたい静止画なので、そのためオレの詩には良くも悪くも展開が少なく、時間をかけて1枚の絵を聞く人の頭に描いて行くようなものが多い。

 

で、オレがその見えてきた風景に対して、まず意識するのは「季節」「時間」「場所」がどうなってるのか。それを解読できてから詩を書くというのがオレの順番。なのでオレの書くものには基本的にこの3つを感じさせる言葉が出てくることになる。

 

(つづく)

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