折原文庫

遠藤さん奇跡のソロアルバム「HIROFUMI CALENDAR」!
2019.09.10

いやーこのブログをまた更新する日が来るとはね。管理メニューのアクセスパスワードをすっかり忘れて苦労しました。

さて本日は、な、なんと!遠藤さんのソロアルバムの発売日なのである。

わざわざ遠藤さんがアルバムを送ってきてくれたので、メンバー以前に、人として感想を書かないわけにはいかない。と、言っても、メンバー同士で褒め合うなどというのは愚の骨頂であるし、レビューはreryoさんが素晴らしいのを書いてくださっているし、何を書くか悩むところ。

そうだ、この記事のタイトルの「奇跡の」というのは、「アルバムの内容がゴイスー」というニュアンスの事ではない。何を隠そう、そもそもオレは遠藤さんがアルバムを作るのだ!とTwitterで宣言したのを見たとき、正直、完成しないだろうと思ったクチなのである。

遠藤さんは大学時代の軽音楽部の先輩で、オレの知らない音楽や、作曲におけるコードをたくさん知っていた(あと、オレの作る音楽を気に入ってよく褒めてくれた)。当時から音楽的センスはズバ抜けていたし、打ち込みもうまかったから、オレは遠藤さんから音楽の基本を学んだ。いま思えば一番最初のオレの音楽の師匠は遠藤さんかも知れないな。

ま、その後いろいろあって(割愛)ユニットを結成して、シンクシンクでデビューが決まるのだが、二人組ユニットというのは不思議なもので、両方のやる気スイッチがONになるのは結成の時ぐらいで、その後、両方がONになる事がなかなかないものだ(いや、全ての二人組ユニットがそうか知らんけども)。

スノモーは始まった時からオレが東京、遠藤さんが岩手という状態で、ネット環境もまだ発達していない時代だったから、レコーディングから何からを自然の流れでオレがイニシアチブを取る事になった。つまりスノモーが何かやる時はオレのやる気スイッチがON、遠藤さんがOFFという事になり、結果としてスノモーの作品には、遠藤さん本来のポテンシャルが充分に発揮されて来たとは言えない。

元々当時から寡作だった事と、そういったかつての「完走しない伝説のランナー」的な遠藤さんのイメージが、冒頭の「アルバム完成するのかなー」という疑念の理由だったわけだが、しかし、この数年の遠藤さんは違った!

何かに取り憑かれたかのように(それはそれで別の意味で心配ではあったが)、毎週デモをアップし、出会った人々に協力を仰ぎ、そして自力で完全なる自分の音楽を形にしたのだ。オレはとにかくその事実に脱帽し感動する。約30年ぶりにあの頃の遠藤先輩がカムバックしたという事に!遠藤さんエライ!さすが!リスペクト!(ついでに疑ってメンゴ)

オレは言うならYMO世代なわけだが、音楽を聞き始めたのが遅かったから、全くテクノポップに影響を受けていないし、正直思い入れもない。それでもスノモーの1stがテクノポップになったのは、オレが遠藤さんがやりそうなアレンジを試しにやってみたからだ。そういう意味では「HIROFUMI CALENDAR」は、スノモーの1stでオレが目指していたアレンジのお手本のような作品とも言える。

聞けば元ネタを列挙するようなアラフィフのYMOオタクどもには、この作品は「いや〜ベタだねぇ」などと言われそうな大ネタオマージュの多い作品かも知れない。だがそれが何だ!遠藤さんの奇跡のソロアルバムだぞ!いいから黙って聞けってんだ。

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折原 信明

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