遠藤文庫

定期連載「雪の彫刻たち」第二部その5
2002.01.18

今日のBGM「International Bright Young Thing」Jesus Jones

ジリリリリン。ガチャ。「あ、キリハラですけど。バンドーさんいますか?」「あ、俺だけど。久しぶり。」「お久しぶりです。そんで、今度大宮でソニーオーディションみたいのがあるんですけど、それに応募したら通っちゃって、それで至急デモテープ送って欲しいっていわれたんですよ。」「なぬっ!」「それで、バンドーさんのキーボードトラックだけ抜いた4トラックのテープそっちに送っといたんで、至急それにキーボード入れて送り返してもらえませんか。よろしくお願いします。」ガチャ!「お、おい!」プー・プー・プー。

突然のことだった。東京に出てきて2ヶ月が過ぎようとしていた。キリハラと会わなくなって久しいと思っていたら、これだ…。そのテープにはキリハラのオリジナル2曲が入っていた。「ロマンス」という曲と、「夕顔」という曲だった。どちらもその当時流行っていた、ジーザスジョーンズの影響を多大に受けているものだった。曲も詩もすごく力強い。「こりゃ、がんばらないとな!」俺はまた燃えた!「またやってやる!」そう思いながら、鍵盤に指を叩きつけた。

こうしてデモテープは完成し、俺たち5人(今回はバンド形態)はオーディションに向かうことになった。大宮フリークス!待ってろよ!

・・・つづく

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