折原文庫

東京クールスファイブ物語(第19回)
2002.03.11

第十九回~長野の神社の夜は更けて~

がんがん飲んでは注がれる泡盛の宴。一番早くダウンしたのは意外にも東北人の遠藤であった。いち早く酒が回った彼は、となりの部屋で布団を敷いて人知れず寝ていた。

その行動には、我々は全く気が付かなかったのであるが、神社中にこだまするイビキの発信源を突き止めた時に、その姿を発見したのである。

「遠藤さんなーに寝てんのー」

そう言いながらイビキをかきながら平和に眠る遠藤さんの上に、サトーさんが乗っかった。それを見てオレもとりあえずその上に乗った。

「う、う、うーやめろー」

苦しむ遠藤さんに、さらにダメ押し。さらにその上からリーダーが飛び乗ってきた。

「おーきーろーよー」
「や、やめてぇぇぇ」

悲痛な叫びをあげたのはリーダー以外の全員だ。ゲホゲホしながら遠藤さんの上から降りる。しかし結局遠藤さんはそれでも寝つづけ、そのまま朝まで熟睡していた。

残った我々は飲み続けるも、少しずつ周りの人々がいなくなっているのに気づく。次に眠りに落ちたのはリーダーであった。結局最後まで残ったのは、オレとサトーさんとPさん。そして実行委員数名と神社の宮司さんである。

結局このメンバーで夜遅くまで田舎と都会の違いとか、地元の風土の話やなんやらいろいろ話し込んで、いつしかバタバタと倒れるように眠り込んでいったのである。

長い一日が終わった。

(つづく)

​ ​