折原文庫

「lovey dovey plus… / microstar」に寄せて(勝手に)
2001.11.22

人は成長する。とすれば勿論その「人」の集合体であるバンドは「なおさら成長する」。マイクロスターの3年ぶりのシングルはそんな当たり前のことを、音楽家としてのオレに気付かせてくれた。

前作の「I'm in love e.p.」で50年代、60年代のガールポップの中に道を発見したマイクロスター。そしてそのタイトル曲でいきなりその新しいスタイルを確立してしまった!しかしこのシングルに納められていた他の曲のバラエティの豊かさによって、もしかしたらそれはスタイルではなく、CMタイアップ曲ということもあって、多くのファンには「マイクロスターの文脈の中で気まぐれに誕生したサウンドのひとつ」と認識されたかもしれない。

それから3年が経った。いまこそこの「lovey dovey plus…」で皆は気付くだろう。マイクロスターは間違いなく他のどのバンドも真似することができない、センチメンタルで、可愛くて、キラキラして、力強く、そして深く美しい、唯一無二のスタイルを確立したのだと。これは間違いなくいままでで最高の作品だ。

「lovey dovey plus…」の中にあるのはブライアン・ウィルソンが作った音楽というよりは、むしろ彼が愛し、憧れ、嫉妬し、大切に聴いていたような音楽だと感じた。この音楽のイメージは例えるなら「初恋の思い出」や「ユーモアまじりのさよなら」。あとは…「夜明けのドライブ」!それから…、それから……オレあんまり表現力ないようだね。とても音楽に言葉が追い付きません。

ところでオレはこの文章を宣伝で書いているつもりはないぞ。なぜならオレは今回このシングルを先行予約したからだ!どうだ、まずココが能無しの評論家どもとは違うのだ。シールだって欲しいんだい。

本当に自分の好きな音楽には待っていても出会えない。この音楽があなたの「それ」であればとても素晴らしいことでありましょう。

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