折原文庫

オレとビッグビート
2003.11.19

去年ぐらいから、とあるショップの店内音楽をセレクトしている。その店のイメージにあった音楽をかけるべく色々と試してみたが、結局オレが選んだのはビッグビートものであった。

ビッグビートというのは今となっては死語だが、1996、7年ごろに最も話題になっていた音楽で、デジロックなどとも呼ばれた。代表アーティストはファット・ボーイ・スリム、ケミカル・ブラザース、プロディジーなどだ。

最初は選曲も彼らの有名曲をはずしたものや、それ系のコンピなどからチョイスしたものだったが、さすがにすぐネタが尽きてしまった。あわててもっとマニアックなアーティストはいないか調べたところこれが結構いた。フリースタイラーズやクリスタルメソッドなどは中でもグレードも高く、もっと有名になっても良かったんじゃないかと思うほどだ。

ところでビッグビートをオレが選んだのは古くならない音楽だと思ったからである。ビッグビートの多くは古いレコードからとったリズムパターンと電子音の組み合わせによって成り立っている。もともと古い音を使ってるんだから年月を経ても古く感じないのだ。それに加えて、もともとビッグビート自体が「グルーィーなものは何でもプレイするクラブパーティー」から生まれて来ているということもあり、とてつもなく選曲の幅が広い。ドラムンベースの後に60年代の音楽がかかったかと思うと、4つ打ちハウスまで出てくるといった雑多な面を持っているのだ。

というわけで選曲の中心をビッグビートに、オレはネタが尽きると4つ打ちものに行ったり、ヒップホップに行ったりと結構楽しく選曲している。最近では映画のサントラや有名アーティストのリミックスものなどにも手を出して、混沌具合が一層増してきている。テンポ感があることが必須なので、思い入れのないヒップホップなんか平気で加工してスピードをあげたり、つなぎの悪いDJものCDなどはわざわざオレがつなぎ直すという手の凝りよう。

ハマると曲自体を作ろうと思ってしまうので、そこまではいかないように気をつけている。ちなみにビッグビートという言葉は今では使われなくなっていて、「ニュースクール・ブレイクス」と呼ぶらしい。いいビッグビートが聞きたい人はまずオレに質問していただきたい。

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