折原文庫

初CoCo~「カレーと私」シリーズ~
2003.04.04

お腹がへったたので、どこかでメシを食おうと歩いていると、「カレーハウスCoCo壱番屋」が「本日オープン」となっていた。店の前で一瞬立ち止まると、呼び込みのお兄さんが「1名様ですね?」といきなり御案内モードで話かけてきたので、とりあえずなされるがまま入店してみた。ココイチの存在自体は前から知っていたが、入ったことはない。

メニューを見るとウインナーカレーやらハンバーグカレーやら、いわゆるトッピング系で増やされたメニューのカレーが沢山ならんでいた。

「ははーん、『POT & POT』系のチェーン店か。」

そう思いながら、とあえず今日はスタンダードなビーフカレーを注文することにした。

オレ「ビーフカレーで。」
店員「ライスは何グラムにいたしますか?」
オレ「は?」
店員「ライスの分量なんですが。」

そう言われても普段食っているメシの分量などわかるわけがない。店員が立続けに300g以降は100g追加ごとに料金がうんぬんと言い出したので、

オレ「じゃあ普通で。」
店員「300gですね。」

ふーん、じゃあ大体オレは普段300gのメシを食っているということか。やれやれ。と思ったら、

店員「辛さはいくつにいたしますか?」
オレ「は?」 
店員「1辛からありますが。1辛追加ごとに料金が」
オレ「……。」
オレ「じゃあ1辛で。」

そうか、ココイチというのはこういうところなのか。ようやくその仕組みが理解できた。自分の好きなカレーが量から辛さから具から、いろいろ選べるというわけか。そう思いながら到着したカレーを食す。べつにどうということはない。普通の旨くもまずくもない、ノーマルなカレーである。

オレは考えた。メシを食うときに考えるのは「何を食うか」であって、だいたいそれ以上のことは無頓着だ。例えば「カレーを食う」と決めたら、あとはその店の判断でやっていただきたい。

ココイチで味わう「選択の自由」というやつは不自由といわざるをえない。感想おわり。

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