折原文庫

サムナーくん…
2004.02.19

先日近所のブックオフにいったら、ニューオーダーの「1985厚生年金ホールライブ」のDVDが安く売っていた。

曲目を見ると、オレの一番好きな「ロウライフ」の頃の曲が中心。まさしく脂のノリ切っている良い時期のニューオーダーだ。最近忘れていたニューウェーブ魂が復活しつつあるオレは、迷う事無く買っていそいそと家に帰った。

ニューウェーブからスタートしたと言ってもオレの音楽人生であるものの、どちらかというとキュアーやバウハウス派だったこともあり、ニューオーダーはアルバムは聞いていても映像はほとんど見た事がなかったのだ。

さっそくカップメンを食いながらDVDを見ると、まずは時代を感じる楽屋風景とお客さん。若かりし頃のバーナード・サムナーは美少年というよりはクラくてモテない学生風で、アンソニー・ホプキンスを若くした感じだった。

そして演奏が始まる!……………。

ヘタすぎる。バーナードの歌のヘタ具合は、レコードでもわかっていたが、ここまでとは。ギターのチューニングも甘い。お客さんも微妙な盛り上がり。やはりはるばるイギリスはマンチェスターからアジアの果てまでやってきて、みんな同じ顔をしているようなオーディエンスを前にしたためか、メンバー全員テンパりぎみで、かなりの空回り。

学生が合宿で着るようなTシャツとジャージでヒゲ面のベース、ピーター・フックは、ハデなアクションで気合いを見せるも、どうもミスマッチ。ドラムのモリスくんはマイペースながら必要以上に白熱した演奏を見せる。でも中々彼は上手い。そして紅一点のギルバートはキーボードにギターと頑張りはするものの、やけに存在は希薄。

これがあのニューオーダーなのか!? ホントにか!?

残念ながら本当でした。ちなみにショックだったのはオレが今まで好きだったニューオーダーのギターの音は、バーナードのものではなく、すべてピーターの6弦ベースだったという事実!

最後の曲は名曲「ブルーマンデー」。これだけはなんとしてでも良くあって欲しいと熱望していたのも空しく、曲が始まると同時にギターを置いて、カウベルをカンカン叩きはじめたバーナード。……………。

ブルー入りました。

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